「レンタルオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペース、バーチャルオフィス」の違いわかりますか?目的別オフィスの選び方。
4つのオフィスの違いわかりますか?
多くの働き方が増えるのに比例して、オフィスの形態も様変わりしてきました。従来、オフィスといえば一つの会社が占有する場所というイメージでしたが、今やその形態はレンタルオフィスやコワーキングスペース・そしてバーチャルオフィスなど多くの形態に派生しています。
実際のところ、自分にはどのオフィスが合っているのかわからない方も多いと思います。今回は、そのオフィスの違いを一つずつわかりやすく説明していきたいと思います。ぜひ、あなたのオフィス選びの参考にしてください。
レンタルオフィス
レンタルオフィスとは、主に法人向けのサービスで、ビジネスに必要な机や椅子などの備品、電話回線やインターネット回線などがあらかじめ準備されている形態です。
一番近いイメージは、個人で借りるウィークリーやマンスリーマンションのように必要な備品が揃っている部屋のオフィス版といった感じでしょうか。それぞれ固有のスペースとなっているため、従来のオフィスに一番近い形になります。
従来のオフィスとの一番の違いは、共有スペースや共有備品があるというところです。会議室や複合機などを共有することで、従来のオフィスよりコストを若干低く抑えることができます。
固有のスペースが必要で、少しでもコストを抑えたい方に向いていますが、電話回線やインターネット回線のプロバイダなどが指定されていることが多く、コールセンターなどご自身で色々と回線をカスタマイズしたいとお考えの方には不向きかもしれません。
シェア(シェアード)オフィス
シェアオフィスは、一社(者)独占でオフィススペースを使用するのではなく、複数社(者)で同じオフィススペースを共有する形態です。フリーアドレスとなっているため、決まった場所に専用のデスクはありません。
正確には、シェアードオフィスと言い、1987年に日本で始まったのがきっかけと言われています。ペーパーレス化が進んだことで一気に認知度をあげることになりました。
カフェスペースなどでは物足りないが、とりあえず作業スペースを確保したい方には非常に重宝されますが、頻繁に接客が必要な方や機密情報が多い業種、個室などで集中する環境が必要な方には不向きだといえます。
コワーキングスペース
コワーキングスペース(Coworking Space)は、複数社(者)でオフィススペース、会議室、打ち合わせスペースなどを共有する形態です。
シェアオフィスに非常によく似ていますが、「co」=「共に」「共通の」という言葉が意味するとおり、より協働という意味合いが強くなります。それぞれ異なる業種や職業の方が広いスペースで個別に黙々と働くというよりは、コワーキングスペース内で働く方同士のコミュニケーションを活発にするようなイベントや取り組みがあったりします。
研究職など、知識のシナジーや集合知が必要な方には向いていますが、シェアオフィス同様に一人で集中して仕事をしたい方などには不向きといえます。
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスとは、仮想の住所を貸し出すサービスです。「仮想」と言っても、実際にその住所は存在しています。ただ、その住所にワークスペースなどはないため業務はできません。この点がレンタルオフィスやコワーキングスペースなどとは大きく異なります。あくまでも、その借りた住所を起業や開業届けの書面上で利用するだけのものとなります。
バーチャルオフィスを利用すれば、実際に事務所を持つことなく法人登記や開業届を提出することができるため、イニシャルコストやランニングコストを最大限抑えることが可能となります。
とりあえず自宅以外に法人登記や開業のための住所が欲しい方には最適ですが、許認可にオフィススペースが必須な一部の業種や接客が多い業種などには向いていません。
まとめ
これまでお話ししてきた内容を表にまとめました。
レンタルオフィス | シェア(シェアード)オフィス | コワーキングスペース | バーチャルオフィス | |
初期費用 | 高 | 中 | 中 | 小 |
月額費用 | 高 | 中 | 中 | 小 |
専用スペース | ◯ | × | × | × |
共有スペース | × | ◯ | ◯ | △ |
近年では、スマートフォンなどの普及により、オフィスや事務所を持たずにできる仕事は多くなりました。それこそWi-Fi環境さえあれば、自宅のリビングやノマドワーカーのようにカフェスペースを利用して仕事をすることも可能です。
ここまでにご紹介した4つのオフィス形態は、従来の個別オフィスと異なり、安価で比較的良い立地に住所を構えることが可能です。そのため、特別制限がない業種で起業や独立・副業などを検討されている方には非常に魅力的なオフィス形態です。
毎日通勤に往復2時間かけた場合は、月に換算すると40時間。年換算で480時間。40年で19,200時間。睡眠時間以外で計算すると、実に人生の3年以上を通勤時間だけで費やすことになります。
今後、新型コロナウイルスが収束したあとも「より合理的な働き方」は常識となっていくでしょう。働き方や働く場所を選べる時代に、あなたの目的や用途に合ったオフィスを選び、明るい未来に向けて突き進んでいただきたいと思います。