本店移転登記(管轄区域内)を自分でやる場合の申請方法について解説!
目次
申請前の確認事項(申請時期・タイミング)
今回は、バーチャルオフィスの住所への移転であってもなくても、とにかく法人の本店移転をご検討されている方向けの記事となっています。
ある程度会社の規模が大きくて、行政書士や司法書士にお願いできるのであればそれで良いのですが、少しでもコストを削減したかったり、そもそも行政書士や司法書士との付き合いなんてないよ!って方はこの記事を参考にしてみてください。
ちなみに、士業の方に依頼すると申請手数料(1万円くらい)が必要になります…。
申請前に、大前提として移転登記は移転日から2週間以内に法務局への届出が必要です。遅すぎることはもちろんですが、早めに出そうと移転前に申請しようと思っても受理されませんのでお気をつけください。
札幌法務局の管轄登記所内か管轄登記所外か確認
まず、移転登記にあたり調べなくてはいけないことは、管轄登記所内の移転か管轄登記所外の移転かという点です。
同じ管轄かどうかは下記の札幌法務局の管轄一覧で確認できます。ちなみに札幌法務局(本局)の管轄地域はとても広いため、旧住所も新住所も札幌市内である場合は、管轄登記所内の移転に該当します。
定款の所在地を確認
次に、お手元の「定款」を確認しましょう。
出番の少ない「定款」ですが、机の奥の方にしまわれていることが多いので、頑張って探してみてください。
この定款の最初の方に本店の所在地という箇所があると思います。
その所在地に、札幌市◯◯区◯◯◯条◯丁目◯ー◯という詳細が記載されている場合は、定款の変更もしなければなりません。後ほどダウンロードする様式の「株主総会議事録」が必要になります。
上記のように「当会社は、本店を 札幌市 に置く」とだけ記載されている方は、定款の変更は必要ありませんので株主総会議事録は不要(ラッキー)です。
申請してみよう
本店移転申請には、指定の申請書様式があり、その様式は法務局の商業・法人登記の申請書様式1−13(2021.4.2現在)からダウンロードできます。
その申請書様式をダウンロードしたあとは、記載後に法務局へ提出するだけで手続きは終わりなのですが、はじめて本店移転届を出す身としては記載内容がわかりづらいため、これからわかりやすく順を追って説明していきます。
まずは、下記のURLからWord(入力)かPDF(手書き)形式で申請書様式1-13をダウンロードしてください。
法務局のHPや記載例などに、ちょいちょい「電子証明書をお持ちの方のオンライン申請」とか「電子証明書をお持ちでない方のQR(二次元バーコード)コード付き書面申請」などの推薦がありますが、こちらは無視してください。断然これからご紹介する通常の書面申請をお勧めします。
一太郎って…。
会社法人等番号
法人番号がすぐ見つかる方は12桁の法人番号を入力しましょう。
法人番号がわからない、もしくは不安な方は以下のHPから確認しましょう。
国税庁 法人番号公表サイト
「有限会社ツインズ企画」の場合は部分一致検索か前方一致検索で「ツインズ企画」とだけ入力して検索してください。同一名称の企業が多い場合には、都道府県や市区町村で更に絞り込んで検索してみてください。
すると、このように法人番号が検索結果として出ます。
ちなみに、申請様式に入力する法人番号は4桁ー2桁ー6桁の12桁ですが、検索結果の法人番号は13桁になっています。そのため、この検索結果の法人番号の一番最初の数字(上の例だと「2」)を除いて入力してください。
商号
株式会社◯◯◯◯、有限会社◯◯◯◯などの法人名を記載してください。
フリガナは会社の種類を表す部分(株式会社・有限会社等)を除いて記載します。
本店
移転(変更)前の旧住所を記載します。
登記の事由
「本店移転」と記載してください。
登記すべき事項
記入例(PDF)では、オンライン申請やQRコードでの申請が勧められていますが、無視してください。
ここには下記のとおりに新しい住所と移転年月日を記載するだけです。
「本店」○県○市○町○丁目○番○号
「原因年月日」令和○年○月○日移転
登録免許税
下記のとおり記載してください。
金30,000円
添付書類
取締役会設置の有無と、取締役が1名か複数かによって添付書類が分かれます。
取締役会設置の有無が不明の場合は、税理士さんなどに確認すると良いですよ!
- 取締役会の設置がある場合には「取締役会議事録(又は取締役の過半数の一致を証する書面)1通」と記載しておけば問題ありません。
- 取締役会の設置がない場合で複数取締役(代表取締役も含め)がいる場合には、記入例(PDF)にある「取締役決定書」が必要です。
- 取締役会の設置がなく、取締役(代表取締役も含め)も1名だけの場合には、添付書類は不要ですのでここは空白で大丈夫です。
※代理人が申請に行く場合は、追加で委任状が必要になります。
申請欄
「上記のとおり、登記の申請をします。」という欄には、移転後の新しい住所と法人名を記載します。
申請人という記載ですが、法人名を記載しますので間違えないようにしてください。
契印
契印は自分でやってもいいのですが、少しでも不安な方は法務局に法人印や代表者印などを申請書と合わせて持参し、法務局の担当者に確認しながら押印するようにすると間違いがありません。
全てが一枚で収まった場合には、法人印を申請人の箇所に一つ押して、捨て印しておくだけで契印は不要とのことでした。
完成!
申請方法は以上です。
あとは、実際に法務局の窓口に行って30,000円分の収入印紙を貼って申請書を提出すればOKです!
万全を期すために、ひと通り書類の準備が整ったら、法務局へ足を運ぶ前に、法務局へ電話して申請書類に不備がないか確認しておくと、二度手間・三度手間にならずに済んで良いかもしれません。
万一、書類提出後に不備が発覚した場合には法務局から電話がきますが、何もなければ申請してから8営業日程度で登記簿(履歴事項全部証明書)の住所が変更になるはずです。
いかがでしたでしょうか?意外と簡単にできたのではないでしょうか。
登記簿変更後には、登記簿持参のうえ、社会保険適用事業所変更届や税務署への届出が必要になります。見落としやすい変更もあるので、気を抜かずに頑張りましょう!